美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　玉川学園前駅によく似た名前のお蕎麦屋さんが２軒あると以前から気になっていたので、その一つのお蕎麦屋さんに入ってみました。お店の方に尋ねたら、兄は室町砂場で修業し玉川学園前駅の駅前でお蕎麦屋「大黒屋」を開店。弟は兄の店「大黒屋」で修業し、駅から徒歩５分の場所でお蕎麦屋「大黒屋半右エ門」を開店。今では、日々、兄弟で味を競い合っているとのこと。お店の名前が似ている理由が分かったところで、お蕎麦が運ばれてきました。

　二八せいろ（６８０円）と十割せいろ（９００円）を食べ比べたところ、咽喉越しが良くコシの強い二八せいろと、香りの立つ十割せいろの違いがよくわかり、美味しくいただきました。この日のお蕎麦は福井産蕎麦を使用し、粗挽きに自家製粉しているそうで、透明感のあるお蕎麦でした。

　お店の片隅に独りのお客さんがいました。この男性は、焼とり（８００円）を肴にヱビスビール中ジョッキ（６００円）を飲み、最後に二八せいろをサクサクと食べ終え、とても幸せそうな表情を浮かべていました。お店の雰囲気は来店するお客さんが作り出すことを実感するお店です。

　「半右エ門」は農家を営む父親の名前とか。父親思いのお蕎麦屋さんです。