美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

国道２０号線から２筋入った日吉八王子神社の裏手の住宅街の中の一軒家、庭の前の

｢自家製石臼粗挽」看板を見つけてほッとなる蕎麦屋です。

蕎麦屋を探すのではなく庭のある一軒家を目指すのが正解です。

四季の花が植栽されたアプローチの先の木戸を開けると木目調の内装で統一され、やや狭いが落ち着いた感じであった。

先ず驚いたのは分厚いメニューに店主の蕎麦に対する哲学が面々と記載されており化学的に立証された多数のデータが列挙されていたこと。

そのデータを根拠にした｢オンリーワン｣蕎麦づくりであった。

どんな味なのかが期待がもてた。粗挽三兄弟　（せいろ、十割、手引き）を注文したが特に１２メッシュで篩われた｢手引せいろ｣は超粗挽で麺にブツブツのまんだら模様で香りの強さと噛み応えがあり濃厚な味であった。

喉越しも良く腰も強い大変風味の強い美味しい蕎麦であった。　自作の蕎麦猪口や薬味入れで、陶器の作品は一級品と思われた。

薬味は本山葵と葱であった。

また、良く練れた｢そばがき｣は粘りがあり蕎麦餅のようで噛み応えと香りは山葵との相性もよく旨みを引き出してくれた。

もう一度、蕎麦粉の粒度分析、水量分析、捏ね方のデータを拝見したがその緻密さには感心させられた。

帰り際に、庭に本日の蕎麦粉の看板があり福井、会津、黒姫、徳島等全国の蕎麦粉を使用している店であった。

植栽が蕎麦屋の雰囲気にマッチしているのに感心した、再度訪れる価値のあるお店であった。