木造モルタルの2階建て。老舗の雰囲気を出すように、戸口の上に切妻の瓦屋根がレリーフのように取り付けてある。看板は蛍光灯の袖看板。暖簾は白地に紺字で「うどん・そば」と書かれている。蕎麦・うどんと書かれたノボリ旗がお店を挟む様にして立てられている。
暖簾をくぐり引き戸を開けて入ると、幅1メートル奥行き10メートル程の土間を挟んで左が小上がりで、4人が座れる飯台が四ツ並べられている。右側は、4人掛けの椅子席が縦に三ツ並んでおり、それぞれを竹の枠に杉板をはめ込んだ衝立で仕切ってある。椅子席の右側が厨房になっている。柱は檜か杉の角材、壁板と天井板は杉の正目板と思う。
全体的に数奇屋造りの雰囲気を出しており、落ち着いて食事が取れる。
50年配の女将さんが、注文取り、蕎麦の上げ下げ、勘定を一人で受持っている。落ち着いた対応をしてくれる。
オオモリを一枚注文すると、10分ほどで出てきた。
丸型のセイロにやや茶色味を帯びた蕎麦が盛られ、薬味は葱とおろし山葵。盛りはかなり良い。蕎麦3本ほどを摘んで掌において、香りを嗅いで見る。それほど強くないが香りは良い。掌からそのまますすり込んで、前歯を当ててみる。歯切れが良い、中の上。奥歯で噛みこむ。30回ほどで若干の甘みを感じる。甘みはそれほど強くない。噛みこむとほんのりと蕎麦の良い香りが口中に広がる。
人箸摘んで、三分の一ほどを汁につけて大きくすすり込む。汁はカツオの出汁が良く効いており鹹さもほど良い。10回ほど噛んでからノドに送り込む。ノド越しは滑らかで美味しい。
蕎麦を食べる幸せを感じながら、摘んで、汁を付けて、啜って、噛んで、喉を通す。まだある!まだある!そう思いながら箸をすすめる。あっと言う間に全てを平らげてしまう。惜しい、もう少し欲しいと思うが、もう一枚は後で後悔することになる。腹八分目が、蕎麦を最も美味しく食べる秘訣であると自ら言い聞かせる。
蕎麦が美味しいのはわかった。次にくる時は、そば前もしっかり楽しんで、最後に蕎麦にしたいと思う。
女将さんにお勘定を頼むと500円と言う。「オオモリでしたが?」と念を押すと、本日はサービスデーで100円引きとのこと。値段は、頗る安い。手打ち風に装っているが、機械打ちと思う。しかし、この値段は安すぎる。表通りから引っ込んだ所にお店があるので、居酒屋風にして地域の雑多なお客の要望に応えながら経営しているのかもしれない。もう少し、お蕎麦の味に自信をもっても良いと思う。
店名 | 愛知 |
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電話番号 | 03-3681-9981 |
住所 | 東京都江東区亀戸7−37−7 |
アクセス | JR亀戸駅下車、北口改札のバスターミナルから今井橋行き或いは西葛西行に乗り4ツ目の亀戸9丁目バス停で下車。 |
営業時間 | 午前10時~午後3時 午後5時~8時 |
定休日 | 木曜日 |
平均的な予算(昼) | 500円~1000円 |
平均的な予算(夜) | 1000円~3000円 |
予約 | 可 |
クレジットカード | 不可 |
個室 | 無 |
席数 | 上がりに1卓4人の飯台が4つ。土間に1卓4名のテーブルが3つ。合計28席。 |
駐車場 | 無 |
禁煙 | 喫煙可 |
アルコール | 有 |
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