美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　私事ですが、この度東京に転勤になり、今までなかなか行けなかった東京のうまい蕎麦屋をこれから食べて回るぞ！と改めて気合を入れております...が、まずは地元からと近所にあるそば屋を探して、本日は京急糀谷駅近くの"さか本"さんにお邪魔しました。

　入口のホワイトボードには本日のサービス定食としてカキフライ定食が、その後ろのサンプルケースにはハンバーグ定食や各種丼のサンプルが並んでいます。典型的な東京にある昔ながらの駅前のお蕎麦屋さんです。店に入ると、長いカウンターとテーブル席、奥には小さな座敷もあり昼時で店内も込み合っています。メニューを見ると、そば・うどん・ラーメン・丼・定食と非常にたくさんのバリエーションで、作る人はさぞかし大変だろうなと思いながら、今回は"肉なんばんそば"を注文しました。

　厨房は女性二人、途中から出前から帰ってきたらしいご主人の３人で、てきぱきとほぼ満席の店内のいろんな種類の注文をさばいています。その無駄のない元気な働きぶりを見ているうち、間もなくお蕎麦が運ばれてきました。

　大きな丼にお蕎麦を埋め尽くすほどのネギとほうれん草、豚肉、ナルトがのっています。お蕎麦自体も200g超のボリュームで、この１杯でお腹一杯になる量です。製麺所の番重に入っていた麺は、出前でも伸びにくいよう作られたしっかりした麺で、出汁はけっこう甘目で熱々の状態で出てきました。さっぱりした出汁ですが、このボリュームを食べるには丁度いい感じです。いつもは背筋を伸ばして繊細なお蕎麦の風味を楽しむ食べ方を心がけますが、ここのお蕎麦は一気にかき込むように食べるのがマナーかなと思い、気合を入れあっという間に食べ終わりました。

　ここ糀谷には昔から工場が多く、そこで働く人たちの胃袋をささえてきた中華料理店・ラーメン屋などが非常に多く営業しています。その中でここ"さか本"さんも大盛りの蕎麦だけでなく、お客様の要望にあった定食や丼も作り、地元に密着したお店として長く営業してこられたのだと思います。当日は寒い日でしたが、熱々のお蕎麦で体は温まり、お腹いっぱい(蕎麦屋で初めて？)になってお店を出ました。