まず、湯津上屋という屋号が珍しい。店主が那須方面の出身らしく、実父が出身地で同じ屋号でお蕎麦屋さんをしていて、10年前に開業にあたり同じ屋号を名乗ることにしたという話である。
昭和通りの東銀座と宝町の中間から通り3本東に入った通りから、またさらに細い路地の中程にひっそりと佇んでいる落ち着いた店である。お店の場所を知らなければ、とても一回ではたどり着けないような場所だ。近所のお客様以外は口コミや紹介で訪ねて来て、それ以来病みつきになったのではないかと想像している。
お店の入口には「時間ないお客様はご遠慮願います」と表示されている。店内はカウンターが4席にテーブルが2つで6席。合計10席だけの小さなお店であり、店主一人で切り盛りしている。店主にお話を聞くと、本や雑誌などのインタビューなどは一切受けていないとのこと。店主曰く「これだけの店ですから、折角来ていただいたお客様に迷惑をかけたくない」との事らしい。私もレポートの提出をどうしようかと思ったものの、しっかりしたお蕎麦が味わえる貴重なお店なので、書くことに決めた次第である。
メニューは蕎麦だけ。蕎麦は「もり」と「かけ」に数種類の種物がある。夜の酒の肴も、昔からの蕎麦屋の定番である「焼き海苔・板わさ・そば豆腐」他数種類である。アルコール類は「ビール・酒・焼酎」とだけ示されている。本来の蕎麦以外に手を広げないところに、店主の、「しっかり打った蕎麦を落ち着いて味わってもらいたい」という気持ちが良く伝わって来る。
お蕎麦の色は白い中に星が見えて、やや細め。茹では若干硬めである。そのまま口に含み噛むと、柔らかい甘みを感じる。汁は出しの効いたやや辛めである。薬味には、ネギの細切りと本わさびがついてくるが、若干繊維の残ったおろし方なので理由を伺うと「汁に入れるお客様には、さらっと溶けるように」との配慮で、粗めの下し金を使用して工夫しているとのこと。細かいところまでの気配りがきいている。店は広くはないが、席の間はゆったりしていて店全体にせせこましさは無く、ゆっくりと蕎麦を味わえる落ち着いた店である。
店名 | 木挽町 湯津上屋 (銀座) |
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電話番号 | 03?3567?0838 |
住所 | 東京都中央区銀座1-22-14 |
アクセス | 東銀座を下車し、昭和通りから東にはいる 徒歩6分 |
営業時間 | 昼11:30~14:00 夜17:00~21:00 (土・日は昼のみ) |
定休日 | 月曜日 |
平均的な予算(昼) | 800~1500円 |
平均的な予算(夜) | 3000~4000円 |
予約 | 不可 |
クレジットカード | 不可 |
個室 | 無 |
席数 | 10席 |
駐車場 | 無 |
禁煙 | 喫煙可 |
アルコール | 有 |
ホームページ | 無 |