美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　町田市の中心部で、本格的な手打ち蕎麦を提供しているお蕎麦屋さんです。私が訪れた時は、お昼過ぎ。お店の中に入ると、テーブル席とカウンター席の店内の様子と、さらに壁には蕎麦粉の説明書きが目に飛び込んできます。説明書きに、本日のソバは「新そば 山形 尾花沢 2014年産 最上早生」とあります。

　お店は、注文と配膳を任された女性が一人と、お店の裏で蕎麦打ちから料理までこなす男性が一人の計二人で切り盛りされていました。外観は古い鄙びた演出をした外装でしたが、店内は真逆でこぢんまりとした清潔なお店でした。

　さっそく、最上早生の「もりそば」（700円）と、辛み大根の薬味(100円)を注文。最上早生を使うおそばは二八そばとのことでしたが、事前に予約すれば十割そばも提供できるとのこと。

　お店には、最上早生以外にも、北海道産のソバを使用した「田舎そば」もありました。田舎そばは、殻が入った黒いそばで太打ち粗挽きが特徴とのこと。田舎そばのかけそば（800円）も注文しました。

　さっそく最上早生の「もりそば」から食味です。蕎麦の香りが高く、鼻に抜ける心地よさを感じます。まずは蕎麦だけを口に含んだとたん、「うまいっ！」。口当たりもよく、咽喉越しも良いです。辛汁は鰹の香りと旨みが効いています。蕎麦が美味しいと感じる至福の瞬間です。

　つぎに、田舎そばの「かけそば」の食味です。太打ちで、甘汁とからみ、口当たりも良く、美味しさが伝わってきます。殻が入った蕎麦麺なので二八そばに比べて野性的な印象があります。これも「うまいっ！」。食べ終わる頃に柚子の香りが、ほのかに感じられ、美味しさに花を添えます。　とても美味しい手打ち蕎麦でした。

　メニューに「おひとり様セット」(1,500円)があり、串揚げセット（６本＋揚げ蕎麦付）＋酒（ビール小ビンか日本酒か焼酎）＋もりそばがセットになっています。メニューの添え書きには「静かに本でも読みたい方に！」と。次回はお酒を飲みに思わず来店したくなりました。