美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

富山市南部の神通川右岸、春日温泉の近くに店があった。入口の右側には唐箕が置かれ、自家製粉へのこだわりが感じられた。

店に入ると奥の方にカウンター席があり、その上の棚にそば焼酎の一升ビンがずらりと並べられていた。常連客のボトルキープだと思うが、豪快な景色だ。

左のテーブル席に座って、メニューを見た。「当店のお蕎麦はとても腰が強いです。奥歯でかむようにして召し上がっていただくと、より一層お蕎麦の味と香りを楽しめます。」と書かれていた。信州八ヶ岳高原と飛騨産のソバを取り寄せて石臼自家製粉した手打ち蕎麦である。

メニューから冷たい蕎麦の中で、５月～１０月限定の『すずしろせいろ』を注文した。せいろの上に細く刻んだ大根と大葉がのせられている。見た目にも涼しそうな蕎麦だ。つゆをかける前に、蕎麦だけで味わってみた。

蕎麦の甘みが口の中に広がってとてもいい香りがした。次につゆをかけて、大根、大葉とともにそばに絡ませて食べてみた。これまた、そばとつゆ・薬味がよく馴染んでおいしい。

同時に注文していた天ぷらを待たずにペロリと食べてしまった。　

「もう少し食べたいな。」と思ったいいタイミングで天ぷらが出され、大満足だった。最後にあずきのデザートが出され、蕎麦湯とともに堪能した。

今度は夜に来てそば懐石も楽しんでみたい、そんな思いを持ちながら店を後にした。