美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　　富山県小矢部市の宮島峡県定公園近くにおいしい蕎麦屋さんがあると聞いて出かけた。最も忙しい１２時半過ぎに着き、しかも飛び込みだったので順番がくるまで暫く待つことにした。

　　部屋の片隅に「ご自由にお持ちください」と書かれた小さなパックが並べられていた。　　出汁を取った後の昆布を佃煮にしたものだが、テーブルで一緒だった他のお客さんと　ともに味わわせてもらった。おいしい味付けで、その心遣いがうれしかった。

　　金沢出身の木綿（もめん）さんご夫妻だけで営むこの店は、ご主人退職後に古民家をリフォームし、2010年7月にオープンさせた。

　　「ゆったりしていってほしい。」という思いから、真ん中の部屋に座卓が３つだけ置かれ、ゆとりの空間がつくられている。　

また、「小矢部」の食材へのこだわりをコンセプトにし、退職後に畑をしながらそば打ちできる場所を探し回ってここに決めたのだという。

　　注文していた「ざるそば」（700円）が届いた。まずは、蕎麦をそのまま噛んで食べてみた。

「うまい！」。香り高い蕎麦だ。蕎麦の甘みが口の中に残った。

冷涼で空気の澄んだ宮島峡の近辺で収穫されたソバの実を自ら石臼で挽き、挽きたてを手打ちしている。つゆはやや甘めに仕上がっている。

　　手を抜かないお二人の姿勢が伝わってくるおいしい蕎麦を又食べに来たいと思う。