美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　将棋の町天童市、天童駅より羽州街道を北上した所に築1200年の呉服店だった商屋の名店の蕎麦屋「竹蔵蕎麦　やま竹」があります。各地のソバを玄蕎麦で仕入れ、自家製粉し、のどごしにこだわり九・一で打つ蕎麦です。

　平日の昼時と言うのに、表の駐車場は満席でした。案内に従い裏の駐車場に駐車し裏口から入りましたが、表に負けない門構えは当時の豪商さを感じます。暖簾をくぐり中に入ると、黒光りした床板や高い天井など、歴史を感じると共に落着いた雰囲気の照明・流れる洋楽が心を癒してくれます。

　「細切り田舎せいろ」を食味したかったのですが、無かったので「天せいろ」「なめこおろしせいろ」をオーダーしました。ソバ産地等を伺うと新潟産の夏ソバ「キタワセ」との事です。心わくわく待っていると蕎麦が到着。

　「天せいろ」は刺身用の海老と野菜の天ぷら盛合せに天汁・セイロ蕎麦・薬味・汁です。海老の天ぷらは新鮮でぷりぷり、頭までカリカリと美味しく頂きました。蕎麦は白く香りは薄いのですが新蕎麦らしく爽やかな味で、細切りなのにしっかりした腰と喉ごしの良い蕎麦です。また、汁は醤油の焦げた香ばしい香りがする甘めの汁で蕎麦との相性もいいですね！

　「なめこおろしせいろ」はセイロ蕎麦に大根おろしに県内産のなめこ、静岡沼津産の桜海老がトッピングされた小鉢につけ汁を入れて頂きます。おろしの爽やかさと、なめこのつるつる感が食欲を増し蕎麦の喉ごしが倍増して、とても美味しく頂きました。

　汁を蕎麦湯で割って頂くとこだわりの昆布・枯れ節・醤油の旨さが分かります。ぜひ食味あれ！