美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　山間の集落に佇む古民家をそのまま利用した店で、開店から20年という比較的新しいお店です。住居も兼ねたお店の大広間（約24畳）の一角には、古民家独特の床の間と立派な仏壇があります。椅子やテーブル席はなく、座卓だけを並べた落ち着いた部屋です。

　これまで複数回訪れている店ですが、私がいつも注文するのは、決まって「板そば」です。見た目は「もりそば」と何ら変わりがないのですが、「板そば」は山形特有のもので、その名のとおり、四角い木製の箱に盛り付けがしてあります。
　量は1.5人前が一般的です。お値段も様々ですが、大体1000円～1500円が相場のようです。

　今回もいつもの様に「板そば」を注文しました。当店のお品書きには"板そば～800円"と書いてあるのですが、800円だと、ちょっと少な目な感じだったことから、いつしか「1000円でお願いします」と言うようになりました。1000円の盛は少なからず多からず、男性の私には適量と思われます。お願いすれば誰にでも応じてくれます。

　さて、使われているそば粉ですが、大高根（店から北に約３Km）産の"でわかおり"を使用しています。細打ちの"板そば"は、引き殻をわずかに加えたもので、艶と色合いも良く、歯ごたえもしっかりとした"９・１"のそばです。そばの香りを意識しながら、少々甘みのあるだし汁で頂く「板そば」は、とくにお薦めです。

　また、付け合わせには、いつも旬の野菜の漬物と、だし醤油の染みた「玉こんにゃく」が定番です。