美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　国道を1本入った道にある、こじんまりとした、白と黒を基調とした落ち着いた外観のお蕎麦屋さんです。以前から一度は、と思っていたのですが、普段、小さな子供もいる家族連れの私には、ちょっと入りづらいなぁと思っていたお店です。ですが、お店に入ってみると中高年のご夫婦により営まれているようで、奥様に温かく迎えて頂きました。

　店内はほぼ満席、洋楽が流れており、あったかみのある落ち着いた雰囲気です。お品書きもユニークで、中高年夫婦でやっているから遅くても怒らないでねとか、鴨と長ねぎのそばは忙しいと食べれない時があるとか、カレーそばは時間がかかるからできれば頼まないでねとか...、注文の多い蕎麦屋にてみなさんに協力を得ている、とのことです！？

　作られる蕎麦は、各産地から玄蕎麦を買い付けて石抜きみがきをかけ大きさごとに分けて丸抜きし、石臼で挽いているとのことで、専門知識がない私でも分かるよう、お品書きに単語の意味を付け加え説明されており、職人さんのポリシーが感じられました。

　ざる蕎麦メニューは、二八・太切り・十割の3種類。特に十割は産地が週替わり（その時は北海道産幌加内産）となっており、今回は十割を注文しました。そばは細めで、見た目でみじみずしさを感じます。まずは何もつけずに食してみると、においはあまり分かりませんでしたが、その舌触り、手打ちならではの歯応えはそばの旨みを感じることができ、喉越しも抜群です。

　そばと一緒についていたのはわさびと塩。わさびで食べた後に塩で頂きました。これまで塩で食べることはそれほど好んでいなかったのですが、塩と食べることでそばの風味がより一段と引き立っているように感じました。もちろん、比較的甘めで濃いめのつゆでもおいしく頂きましたが、この塩での食べ方がとても気に入った次第で、よりそばが好きになりました。

　今度は、忙しくない時間帯におじゃまして（！？）、ざる蕎麦以外のメニューにも挑戦してみたいです。