かねてから福井越前おろしそばを一度は本場福井で食べてみたいと思っていたところ、地元の製粉業者さんの好意で蕎麦製粉工場、産地、蕎麦屋さんを巡る機会を頂戴しました。
越前おろしそばは江戸時代から続く伝統食なのだという。蕎麦に大根おろしを入れただし汁をぶっかけて食べるぶっかけ蕎麦である。越前そばの共通した特徴はネギ、鰹節をトッピングしてあり、麺はそば殻ごと挽いた黒い挽きぐるみそば粉を使い、平たい幅広の平打ち麺である。福井で収穫できる大根の旬と蕎麦の旬が一緒であったために、この食べ方が発達定着したのだろう。薬膳的な意味合いもあったのだろう。
見学させていただいた製粉工場では越前そばの在来種の特徴である小粒の玄そばを黒殻ごと挽いていた。通常の石臼では黒い殻は硬いため、石臼が削れてしまうが、福井の美山町で採れる小和清水石臼(こわしょうずいしうす)という硬い特別な石臼だからこそできる製粉方法であるそうだ。
福井駅から歩いて10分くらいの越前そばの老舗見吉屋本店さんに訪れた。小さい間口であるが、2階にも席があり、50席くらいはありそうだ。現在、昼の蕎麦は3代目と夜の蕎麦は4代目とお互いの特徴を出しながら、営業をしているという。歴史のある店でありながら、新しい味にも挑戦する姿勢が頼もしく思えた。
初めて食べる越前そばであるため、大変わくわくした。ネギと鰹節がトッピングされた蕎麦の器と大根おろしが入ったそばつゆが運ばれてきた。いつものようにそばつゆに麺をつけながら食べようとして、同行者を見てみると、麺にそばつゆをぶっかけながら食べている。郷に入れば郷に従えということで私もぶっかけて食べてみた。
黒めの平打ち麺、味の濃い蕎麦につるりとした食感、大根のピリッとした清涼感があり、大変おいしい。つゆは江戸流のしょうゆベースのそばつゆと違い、関西のだし汁のような味わいであった。
1000円以上でもおかしくない蕎麦の価格で、福井産そば粉を使った越前おろし蕎麦が500円という値段にも驚いた。2件3件は食べ歩きができる旅行客にはありがたい。
あっという間に食べてしまったので、もっと食べてみたい味であった。本当はもっと噛みしめながら蕎麦を食べれば、蕎麦の甘みや滋味深い味を堪能できるだろう。インターネットでも取り寄せができるとの事なので、今後は試してみたい。ごちそうさまでした。
店名 | 越前そば見吉屋本店(福井市) |
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電話番号 | 0776-23-3448 |
住所 | 福井県福井市順化1-11-3 |
アクセス | JR福井駅より徒歩10分 北陸自動車道 福井ICから車で20分 |
営業時間 | 11時~20時30分 |
定休日 | 毎週日曜日 |
平均的な予算(昼) | 1000円 |
平均的な予算(夜) | 1000円 |
予約 | 不明 |
クレジットカード | 不明 |
個室 | 不明 |
席数 | 40席 |
駐車場 | 15台 |
禁煙 | 不明 |
アルコール | あり |
ホームページ | http://miyoshiya-fukui.com/ |