美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　もともと札幌市で新規開店したのだが、蕎麦を提供するによりふさわしい建物を探していたところ、蔵を利用できる場所が見つかり太平洋側の伊達市で開店させた。蕎麦の美味しさにファンが増えだしたのだが、厨房も客席も狭くて蕎麦の味を堪能できない方に不便をかけ、更に駐車場もなかったので現在の函館市に移転したのだという。 

　市電通りに面した場所に駐車場を構え、さらに店舗前にも駐車できるスペースもあり、札幌や伊達からもわざわざ来店される根強い常連のお客さんとの出会いも、今では楽しみの一つだそうです。「やっと皆さんに気楽に訪ねられていただけるようになりました」と笑顔が印象的でした。 

　店名はソバの品種である『キタワセ種』からで、蕎麦へのこだわりが強いのが分かります。キタワセは産地にこだわらず最高のキタワセ種を厳選してその都度仕入れ、石臼挽きして、外一で手打ちした比較的太めに仕上げている。蕎麦粉90.9％つなぎ9.1％と配合比率は細かい。蕎麦粉の産地によっては配合比率は変えられ二八で仕上げることもあるという。

　やや太めの濁色の麺を手繰り寄せると、蕎麦独特な風味が漂ってくる、口に運ぶと噛み応えのある麺は噛むごとに蕎麦の風味が鼻に抜けるのがたまらない、すっかり癖になった蕎麦でした。

　ご主人は野菜ソムリエでして、店で提供しているメニューのすべては、ご主人の考案した蕎麦にマッチングするように野菜を厳選しているとのことでした。　次回は、野菜をトッピングしたセットメニューを食したいと店を後にしました。