私はこの店に1年ほど前に訪れて気に入り、前回の「蕎麦店レポート」にて報告致しました。今回は妻を伴い、地酒と共にそばを楽しみました。
「あらびきせいろ」と「せいろ」です。
あらびきは勿論のこと、せいろも上立ち香は中々のものがありました。しかし、そばを口に入れてからの含み香は、意外なことに弱く、妻も同様のことを呟いていました。その後20~30回と咀嚼するうちに、そばの味わいと甘みが口内に広がります。
そばの風味を充分に楽しみたければ、ろくに噛まずにツルッとたぐるより、よく噛むべきなのだと、今さらのように思い到りました。あっさり飲み込むのは、とてももったいないそばだと思います。
もり汁がトロリと濃い目に仕上っているのが、そばとの取り合わせも良く、とても好感が持てました。砂糖甘さは控え目で、出汁とみりんの甘さ・旨味がしっかり効いて、醤油角が取れています。後口はさっぱりしていて、そば湯と交互に楽しめます。とはいえ辛口なので汁が余ってしまいます。今度来る時は、このしっかり仕上っている汁の残りを小さな密閉容器に入れて、持って帰ることはできないものかと、つい思ってしまいました。
温かいそばも、しっかり咀嚼すると口内にてそばがきのような状態になり、そばの味わいを深く楽しめます。慌てずにゆっくり食べると、より真価を発揮するそばなのだとつくづく思いました。
かけ汁がまた良い塩梅の甘辛さ加減で、妻と共に交互に食して、結局汁も全部飲み干してしまいました。しっかり飲めてしまう出汁の甘さと、かけ汁としてのかえしの辛さとが上手くバランスがとれていると思います。それなりの塩味は感じるのですが、ちびちびとつい飲んでしまいたくなる旨味があるのです。
「花まき」も秀逸です。「佐賀有明一番草」と称する海苔が、味付け海苔の半分ほどの大きさにちぎられています。それを温かいそばに巻いて食べると、海苔の風味が口一杯になる快感の味わい...。「花まき」お約束の、蓋付き丼で提供され、蓋を開けた瞬間から美味しいという感じです。
海苔は丈夫で、最後までほとんど溶けず、かけ汁は少々黒ずむ程度。海苔の風味一杯のかけ汁も全部飲み干したかったのですが、塩分の摂り過ぎになるかなと思い我慢をしました。
店名 | 山本 石臼挽手打ち蕎麦(横浜市) |
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電話番号 | 045-641-3699 |
住所 | 神奈川県横浜市中区山元町3-156 |
アクセス | 横浜駅よりバス30分(103系統「山元町二丁目」下車)徒歩3分 JR山手駅より徒歩15分 |
営業時間 | 11:00~20:00(売り切れ仕舞い) |
定休日 | 木曜 |
平均的な予算(昼) | 1000~2000円 |
平均的な予算(夜) | |
予約 | 可 |
クレジットカード | 不可 |
個室 | 無し |
席数 | 16席 |
駐車場 | 無し |
禁煙 | 禁煙 |
アルコール | 有り |
ホームページ | 無し |