三重県の県庁所在地「津」市。その玄関口のひとつ、津駅の東口から徒歩1分の場所にあるおそば屋さんです。場所柄か、お昼時と夜は、お勤めの方が特に多く、またそれ以外の時間帯も様々な方が、店名の通り「ちょっと一息」といった感じで利用されているようです。
暖簾をくぐると、向かって左手に、10席ほどのカウンターを中心とした細長の空間が広がり、その対面にテーブル席が3卓、入り口正面にもテーブル席、右手にはレジが配置されています。割と年季が入った感は否めませんが、同時に、愛されている大衆的な居酒屋のような居心地の良さを感じます。それは、多くの人々の賑わいによってもたらされた、このお店ならではの温かい空気感であり、その目には見えないものが、訪れる人に安心感を与えてくれているように思います。また、迎えてくれる従業員の方々の接客も元気よく気持ちのよいもので、席に着くと思わず「ほっ」と笑顔になれます。
平日の15時前の入店でしたが、店内には数人のお客さまがみえます。カウンターで、従業員の方と楽しそうに話をされている方、テーブル席でかけそばを肴に静かに飲まれている方、同じくテーブル席で、熱心に話し込んでみえるスーツ姿の方たち。気軽に入れて居心地が良い。過ごし方は違えど、皆さん同じようです。
さて、肝心のメニューなのですが、そば・うどんを中心に、ご飯もの天ぷらものと大変品数豊富で、どのお品もかなり良心的な価格です。逡巡の末、こちらのお店の名物「ざるの倍盛り大せいろそば」と、天ぷらの盛り合わせをお願いしました。
お盆の上からはみ出す、大きなせいろのざるそばは、信州とつく店名から想像していたのとは違い、やや白っぽい細めの麺の中に、ところどころ星が散っています。そして、見るからに瑞々しく、非常に艶やかです。
そばそのものの味と香りこそ薄いものの、つるつるとした滑らかなのどごしと、食感の良さで、いくらでもするするとお腹に入っていきそうです。つゆは、甘さを前面に感じるものではありますが、けっしてくどくはなく、全体的に癖のないさっぱりとした感じです。添えられた青葱と山葵を入れて、どっぷりとつゆの中におそばを浸して口に運んでいると、たっぷりあったと思われた大せいろそばも、天ぷらをつまみにする間もなくほぼ食べてしまいました。
その天ぷらの盛り合わせは、小ぶりな海老が3尾と野菜数種(それぞれひとくちサイズの茄子・南瓜・竹の子・ししとう)におろしが添えられていました。おそばはなくなってしまいましたが、どの天ぷらもサックリと揚がっていて、天つゆも添えられていましたので、それだけも美味しくいただけました。最後に、そば湯を運んで来て下さったので、少しお伺いしてみたところ、おそばは長野県の製麺工場から直接仕入れてみえるとのことでした。店名の由来でしょうか。
店内で過ごしている間にも、買い物帰りの若い女性のグループや、入ってくるなり従業員の方と親しげに会話をかわす常連らしき方、様々な人たちが気軽に一息つきにみえます。また、お会計を済ませて帰られるお客さんには、店員の方が「いってらっしゃい」とお見送りされています。
背中越しに、その明るく元気な声を聞きながら、お店を後にしたとき、お腹以外のところも満たされていることに気付きました。ごちそうさまでした。素敵な「ちょっと一息」がつけました。
店名 | 信州そば処 そば茶屋 津店(津市) |
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電話番号 | 059-246-8700 |
住所 | 三重県津市羽所町368 |
アクセス | JR・近鉄線がおすすめ |
営業時間 | 11:00~22:00 |
定休日 | 日曜日 |
平均的な予算(昼) | 1000円 |
平均的な予算(夜) | 1000円~1500円 |
予約 | 可 |
クレジットカード | 不可 |
個室 | 無 |
席数 | 30席 |
駐車場 | 無 |
禁煙 | 喫煙可 |
アルコール | 有 |
ホームページ | 無 |