仙台の友人を訪ねた時に、連れて行ってもらったお蕎麦屋さん。お店は、100年ほど前に材木屋の佐藤伝五郎と言う人が建てた家屋で、えり抜いた木材をふんだんに使った堅牢な造り。二階建ての家屋は東西に長く建てられており、開け放された二間続きの広い座敷から縁側の一枚ガラスの戸を透して庭が眺められようになっている。贅沢な構えのお蕎麦屋さんである。
冷たい肉そばと板そばがお勧めで、他の多くのお客が注文をしていた。当方も、最初から板そばと決めていたので、いつもの調子で大盛りを頼んだ。店内はほぼ満席で混みあっていたが、5分ほどで大きな折敷に盛られた蕎麦が運ばれてきた。その量の多さには、さすがに気後れを感じた。
「400グラムあります。」と、仲居さんはこともなげに答えたが、食べきれるどうか自信をなくするほどの盛りである。
それではやっつけようと、取りかかる。手の平に載せた麺をつぶさに観察し、匂いを嗅いでみる。麺線は太めで、色は薄茶、星は少ない、香りは素晴らしく良い。そのまま啜りこんで噛んでみる。かなり強い歯ごたえ、口中に広がる香りはそれほど強くない、じっくり噛みしめているとほんのりと甘みが出てくる。喉越しは悪くないが、麺線が太いので良く噛んだ方良い。
そば汁は、カツオの香りが良く効いた甘めの汁。少し多めにすくい取って、汁にたっぷり浸してから元気よく啜りこむ。汁が良く絡んだ麺は後引きの味で、繰り返し啜りこんでいるうちに底に敷かれた簀が半分以上顕れて来た。箸やすめの漬物を摘まみお茶を飲んで一息入れる。それからペースを崩さずに休まず食べ続けて、やっとのことで400グラム全てを胃の府に納めきった。満足を超えてしまう量の多さであった。最後に、白濁のそば湯を猪口に注いで、ゆっくりと飲みながら余韻を楽しむ。
蕎麦好きでもよほど食べることに自信のある人以外は、普通盛りで十分だと思う。
以下は、仲居さんから聞いたお話。
・ご主人は、山形でそば打ち修行を積んだ人で、山形そばに強いこだわりを持っている。
・大勢のお客に対応するために、水回しと練りは手作業で行い、延しと切りは機械を使っている。
・そば粉は山形産を使用。小麦粉は不明。
・そば粉とつなぎ粉の割合は7対3。
店名 | 蕎麦処 初代伝五郎(仙台市) |
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電話番号 | 022-307-1056 |
住所 | 宮城県仙台市太白区鈎取本町一丁目17-20 |
アクセス | 仙台南ICより車で10分 |
営業時間 | 平日: 11時~15時30分 土日祝: 11時~20時30分 |
定休日 | なし |
平均的な予算(昼) | 800円~2千円 |
平均的な予算(夜) | 5千円前後か |
予約 | 可 |
クレジットカード | 不明 |
個室 | あり(北向きの納戸を改造した部屋) |
席数 | 54席 |
駐車場 | 40台 |
禁煙 | 禁煙 |
アルコール | 日本酒、焼酎 |
ホームページ | http://1st-dengoro.jp/ |