美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　以前から訪れてみようを思っていたお店です。築250年、有形文化財として登録されている茅葺屋根の古民家で元蔵元の坂井銘醸が経営している店です。

　蔵元の振舞い座敷を再現したという江戸時代に思いを馳せることができる重厚な雰囲気を醸し出す空間で、蕎麦会席の「萱の膳」をいただきました。先付の十割蕎麦豆腐、鴨肉を使った前菜、信州サーモン、焼物の岩魚、蕎麦寿司の天ぷら、二八蕎麦、デザートの蕎麦プリンというコースです。料理長はいろいろと勉強しているようで、出される料理は、いずれも盛りつけもきれいで、味付けも薄味でおいしかったです。

　蕎麦は細打ちで、大変丁寧に打ってありました。気を利かせて辛み汁を出してくれました。東御はおしぼり大根(辛味大根)が以前から有名ですので、それを使った辛い大根の搾り汁に味噌を溶かしていただくというものです。これで食べる時は、普通のそばつゆは出ないのだそうです。残念ながら私は辛いのが得意ではないのと、これで食べると蕎麦の風味がわからなくなるので、二口三口いただいてから、そばつゆを貰って完食しました。全体の量も見た目も味付けも大変満足できました。

　そのうえ、有形文化財に登録された文字通り江戸時代の古民家でゆったりと料理をいただけば、満足度も倍加します。コースで出された蕎麦豆腐やそばプリン以外にも、ソバピザなどもあるようです。

　今度は、家内を連れていきたいお店でした。いただきました。