美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　長野電鉄本郷駅から南に数分の距離にある岡沢そば店は、「新編 そば物語」の著者としても知られる歴史ある長野の名店「岡沢そば」の流れを受け継いでいるお店です。

　そば、うどんから親子丼、天丼、かつ丼などの店屋物定番メニューに蕎麦屋の「中華そば」とボリューム満点の嬉しいメニューが豊富にあります。

　今回は「鴨せいろ」と「鴨南蛮そば」を頂きました。運ばれてきた鴨せいろの蕎麦は白く信州ではトップクラスの細さです。これぞ更科系と期待に胸が踊って来ます。

　この細い蕎麦を数本そのまま口に運び味わえば、そばの甘みと香りが口の中を通り過ぎてゆくのが気持ち良く心がスーっと穏やかになります。次にそばを鴨つゆに付けて頂くと冷たいそばに温かいつゆと鴨の油が絡み口の中は先ほどとは真逆に美味しさでドーンと打ちのめされそうでした。鴨肉が沢山入っている（5～6枚入っていた！！写真参照）つゆを軽く一口頂くと上品な出汁と返しのバランスもちょうど良くて鴨肉の油を引き立てていました。また、肉の火の通し加減も絶妙で柔らかく美味しくて大満足の蕎麦でした。

　このお店は蕎麦と饂飩が手打ちで、入り口すぐ横に打ち場がありました。また、古くからある街のそば屋の雰囲気をそのまま残している味わいあるお店で、夜は「天ぬき」などを頂きながら寒い冬に熱燗で体を温め、最後の締めにお蕎麦を頂きたくなる。そんなお店なのです。