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ちく満(ちくま)(堺市)(大阪府

創業元禄八年(1695年)!伝統ある蕎麦店 「ちく満」(堺市)
レポート提出者:らっくんさん

kimura tikuma10.jpg  路面電車である阪堺線、通称ちんちん電車が走る大道筋沿いにお店はあります。外観は、一見すると工場です。4~5階建ての、見上げるほどの高さのある建物です。

 kimura tikuma08.jpgよく見ると巨大な2棟の建物に挟まれる形で瓦葺の日本家屋があり、格子戸がある入口に暖簾がかかっています。

 暖簾をくぐると石畳の狭い通路が奥まで続いていて、左手にガラスで仕切られた製粉所があり、薄暗い室内で機械が唸っています。突き当りを右手に回ると客席や厨房のある空間に出ます。廊下が奥まで続いていて、ガラス戸があったり、廃村の小学校のようです。

 kimura tikuma06.jpgガラス戸をあけて4間続きの座敷に上がり、指定された席へ着席します。薄暗い室内に土壁、障子、藤むしろ、田舎のおばあちゃんの家といった感じです。奥には中庭もあるようです。

メニューはせいろ蕎麦のみ。1斤、1.5斤かどちらかを選びます。「これから茹でるので、すこしお時間を頂きます」との事です。こちらの蕎麦は熱盛のせいろ蕎麦、蒸し蕎麦なのですが、一度ゆでたものを蒸しあげるようです。

kimura tikuma05.jpg 10分ほどしてお蕎麦が運ばれてきました。蕎麦の入った四角い白木のせいろの蓋の上に、朱塗りのお椀、青ネギと山葵の薬味の小皿、そしてまたこれもこちらの特徴である、卵の入った小鉢が乗っています。

 蕎麦汁の入った徳利は素手では持てないほどの熱さで、お手拭きでくるんで持ちます。お碗の中で卵を溶き、蕎麦汁で割ってつけ汁とするようです。汁だけ頂いてみると、卵を混ぜる前提だからでしょうか、関西の蕎麦汁とは思えない醤油辛さ、甘みも昆布のうまみもありません。なぜか赤味噌の上澄みのような風味がしました。

 蓋の上のものをテーブルにおろしてセッティングします。碗の中で卵を溶き、汁で割ります。汁は本当にアツアツ、混ぜると卵が熱せられて白濁するほどです。

 kimura tikuma04.jpgせいろのふたをあけると、ふわっと湯気が立ち上がります。完全に湯がき過ぎ...もとい、見るからにやわらかそうな、ねずみ色の蕎麦です。ぺしゃっと固まっています。固まりから数本恐る恐る、そうっとつまみ出します。なんとかぎりぎりつながって持ち上げられるほどの軟らかさです。

 蕎麦だけ口に運んでみます。蕎麦の風味はほとんどありません。見た目を裏切らず、腰も皆無です。ふわふわふにゅふにゅです。汁につけて頂きます。卵が絡まり、ずるりっとすすります。卵汁と絡まった温かく軟らかい蕎麦は、どこか懐かしく、優しい味です。

 kimura tikuma03.jpg「こちらの蕎麦を食べる時は専門店の蕎麦の概念を捨てねばならぬ」とおっしゃっている方がいました。なるほど、私の思っている蕎麦とは全く違いますが、このほかほかやわらかい、温かい食べ物は、美味しいと思いました。

 パンとパンがゆという感じでしょうか。

 食べ終わる頃に「かまくら」と呼ばれる湯桶を持ってきてくれました。この金属製の湯桶も持ち手に藤がまかれているにもかかわらず、素手で持てないほどの熱さ。なかの蕎麦湯はさらっとしていました。卵汁を割って頂きました。 

 こちらのお店は堺市民なら知らぬ人はいないほどの有名店ですが、まったく受け付けない人と、魅せられて定期的に通う人の二極化になっています。今回私は堺市民の義務として初来店しましたが、食べ物として美味しいと思いました。たまに食べたくなる味です。

店名ちく満(ちくま)(堺市)
電話番号072-232-0093
住所大阪府堺市堺区宿院町西1−1−16
アクセス阪堺電車「宿院駅」すぐ、または南海堺駅徒歩10分
営業時間10:30-21:30
定休日月曜日
平均的な予算(昼)
平均的な予算(夜)
予約
クレジットカード不明
個室
席数
駐車場
禁煙不明
アルコール
ホームページ
34.5755558,135.4704349

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