今日はこの店を目当てに浅草まで来た。メトロ銀座線の浅草駅に降り地上に出る。浅草寺の大きな提灯を背に、一度も振り向かず上野方面へ必死に歩く。その様相に行き交う人は、「何事か!」と思ったに違いない。早く並木藪蕎麦の蕎麦を食べたかったのだ。
店の前には行列がある。江戸の蕎麦屋の行列に恐れることはない。"粋蕎麦"を実践される方が多く、それ程の時間はかからないことが多い。また、店内は相席が普通で、花番が要領よくさばくのだ。案の定ここも例外ではなく、ほどなく入店できる。
案内された小上がりの卓の下に荷物をまとめて座るやいなや、"ざるそば"と注文する。花番により板場に通されると順番に調理され手際よく配膳される。
出された蕎麦は洗いたてで艶やか、箸で取るととても長い。そのまま食べてみると、しっかり茹でてあるがコシが心地よい絶品そばである。
汁の味を確かめると余りに濃く、"蕎麦に合うのか?"と驚いた。気を立て直し味わいなおすと、節の効いた奥深いものであることはわかるが、余りに濃すぎて、蕎麦を浸ける量はせいぜい取った長さの1/5程度だと判断した。不安のまま蕎麦を汁につけて食べる。美味い・・・ とてつもなく美味い・・・口に入れると初めに蕎麦の淡白な旨さを感じ、啜ると濃い汁の味がフワァっと口中に広がる味の変化が美味く、蕎麦の香りも追ってくる。蕎麦の長さもその美味さに影響している。最高の蕎麦だと思う。
店内の雰囲気、味、これぞ私が求めていた蕎麦である。落語で語られる、"江戸粋蕎麦"がここにある。浅草並木藪蕎麦が私の中で蕎麦の指標となった記念すべき日であった。
店名 | 並木藪蕎麦(雷門) |
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電話番号 | 03-3841-1340 |
住所 | 台東区雷門2-11-9 |
アクセス | 地下鉄銀座線浅草駅より徒歩約1分 |
営業時間 | 11:00~19:30 |
定休日 | 木曜日 |
平均的な予算(昼) | ¥750-~ |
平均的な予算(夜) | |
予約 | 不可 |
クレジットカード | 不可 |
個室 | なし |
席数 | 小上がり4人がけ×5席、6人がけ×1 テーブル4人がけ×1、6人がけ×2 |
駐車場 | なし |
禁煙 | 禁煙 |
アルコール | 有 |
ホームページ | なし |