美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　新旧の蕎麦の名店が集まる神楽坂。その中でも不動の人気を誇っているのが路地裏の隠れ家的な場所にある蕎楽亭さん。
　元サラリーマンから蕎麦職人を志し、神保町の名店「松翁」で修業したご主人の蕎麦は、今や神楽坂でもＮＯ１と評価も高い。

　去年も訪問したが、前回と同じく蕎麦とひやむぎの合い盛りのむぎめおとを注文。先日は「松翁」でもむぎめおとを食べたので、比べてみるのも楽しみ。

　カウンター席は厨房の様子を眺められる特等席。

　温かい蕎麦茶。次に運ばれてきたのは蕎麦つゆとひやむぎのつゆ、それに薬味。そばとひやむぎの合い盛りの「むぎめおと」。まさに夫婦のように寄り添う姿が美しい。最初は何もつけずにそのままチュルン。口の中いっぱいに蕎麦の風味が広がる。だしの風味が際立つ辛めのつゆ。

　歯ごたえ、のど越し、それに風味、どれをとっても素晴らしい。後半戦はおろしたての本山葵を使い味の変化を楽しむ。

　冷麦は群馬産の小麦でお店で打ったもの。冷麦のつゆは、スッキリしながら深みがある。のど越しの良さは驚くばかり。最近は乾麺が主流で手打ちの冷麦を出す店は数少ない。生姜や辛味大根などの薬味も冷麦には良く合う。

　食後の楽しみは蕎麦湯。刻み葱と、残しておいた山葵を加えて、半分飲んで継ぎ足しを３回繰り返し飲み干す。

　蕎麦っていいなって、改めて感じさせてくれたお蕎麦屋さんだった。