美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

平成２５年４月９日、火曜日の午後１時過ぎに入店。店は目黒通りの『元競馬場』交差点近くにあるが、少し分かりにくい。入口の外壁はモダンな黒の波型の格子で囲まれており、なかなか洒落ている。

入口のすぐ左側には打ち場があり、店内は奥に細長い。内壁はコンクリートと木の組合せ、天上は外壁と同じく白の波型の板が並んでいる。

和と洋が融合した店内には軽音楽の流れており、蕎麦屋にしては不思議な空間であるが、とても落ち着きがあり好感が持てる。

　ランチの『日替わりご飯セット』(１，０００円)をお願いする。

待つこと約５分で『日替わりご飯』と『一口厚焼き玉子』、『漬物』(きゅうり、大根)が出てくる。本日のご飯は『さつまいもご飯』で、小ライスくらいの量。さつまいもも適量入っており、甘すぎず、薄すぎず、上品な甘さで良好。さらに待つこと２分強で『せいろ』が出てくる。

　蕎麦は白色で、やや細めである。太さが不揃いではあるが、悪い感じはしない。あまり強くはないものの蕎麦の香りも感じられる。瑞々しく滑らかな食感と噛みごたえ、喉越しの良さは、やはり二八蕎麦だと思う。男性であれば蕎麦の量はやや物足りない感じもするが、セットのご飯もあるため、まあ適量と言えるだろう。できれば、わさびがもう少し欲しい。

蕎麦汁は鰹節の香りがする。色は薄めの褐色で、とても甘い香りがする。口にすると、確かに甘口である。だが、しっかりとした味で、甘ったるさ、ベタつき感はなく、必要であれば薬味の辛味大根で調節すれば良い程度の甘さだ。厚焼き玉子が子どもの弁当向きの甘いタイプではなく大人向けの塩味であることや、漬物も塩味があることを踏まえれば、蕎麦汁が甘口でちょうど良いのかもしれない。

蕎麦湯は白濁している。おかしな日本語だが、『あっさりした濃厚』な感じ。量は多く、十分４杯は楽しめるほどだ。ぐいぐい飲んでしまった。

全体の感想としては、和と洋を融合した独特な店の作りが喫茶店のようであり、身構えることなく軽い感覚で利用できる点が良い。

蕎麦を身近に感じることができる。蕎麦の味も、『隠れた名店』や『絶品の味』のレベルまではいかないが、合格点に達していると思う。季節の蕎麦もあるようで、興味も湧く。

蕎麦を楽しめる店だ。『そば団子』や『そばアイス』もあり、子どもも楽しめる。