美味しい蕎麦をもっと愉しむための蕎麦情報ウェブマガジン

　天童にある、自家製粉の手打ちそばを提供する店として地元では有名店である。店は呉服屋を改装したという、内外装とも趣のある建物。古い佇まいであるが、磨きこまれて清潔感あふれる店内である。

　蕎麦は、当日使用する量を石臼で挽き、手打ちしているという。材料にもこだわりを持って、生産者の顔が見えるものを使用しているとして生産者の名前も公表している。

　私は、山形市から車で出かけ1時過ぎに着いた。既に４組ほどのお客が待っていたが、20分くらい待って席に着いた。電車で行くには、JR奥羽本線の天童駅から東方向に出て、さらに１５分程度北に向かって歩いたところという。

　玄関から靴を脱いで上がるとすぐの部屋は全て椅子席だったが、奥には座敷もあるようだ。

　メニューを見ると、初めに天せいろが書いてある。次が鴨せいろ、もりせいろの順である。これが売りの順番なのか、確かに天せいろを注文するお客さんが多いようだ。私は勿論「もりせいろ」を２枚である。

　蕎麦は白く、かなり細い。薬味は葱と山葵。一口目は何もつけずに口に入れたが、爽やかな味でノドごしもなめらかである。香はそれほど強くないが、口に入れて噛むとしっかり香りが感じられる。蕎麦湯は白濁して濃い目である。おそらく蕎麦湯として作って出しているのであろう。水気を吸って多少乾き気味になるが、そばを手繰ると抜けは良い。ご馳走様でした。

　外に出ると、私たちに付いて出るように店に人も外に出て、売り切れの閉店の看板を出していた。